レールの向こう

大城立裕の「レールの向こう」(新潮社)を読みました。
レールの向こう
4年前に「普天間よ」を読み、感銘を受けた作家です。「普天間よ」は7編からなる短編集で、沖縄戦をその時代から描いたもの3編と現在から沖縄戦をふり返ったもの3編、現在の沖縄問題を扱ったもの1編からなり、沖縄に生まれ沖縄に育った作者だからこそ書ける小説群でした。

今回の「レールの向こう」は、直截的に沖縄問題を扱ったものではありません。「レールの向こう」「病棟の窓」「まだか」「四十九日のアカバナー」「エントゥリアム」「天女の幽霊」という6編が収められていて、沖縄の風土に根ざした「地域性?」豊かな作品がそろっていました。

新潮社のHPには、次のように紹介されています。
沖縄に生きて、その風土を呼吸しながら創作を続けてきた八十九歳の作家の、初の私小説。時の移ろいを生き抜く老年の日常。妻の入院をきっかけに、出会ってきた人々の面影とともに、遠い記憶が鮮明に蘇り、いまを生きる私を、強く激しく揺り動かす――川端康成文学賞を受賞した表題作と新作『病棟の窓』を収録する、最新作品集。

作者は「あとがき」で、「レールの向こう」は妻が脳梗塞という病気を患ったことをきっかけに、「病棟の窓」は自身の病気をきっかけに家族への思いを書いた私小説であると記しています。他の作品は、フィクション。

どの作品も沖縄独特の歴史と文化を背景として描かれています。

例えば「四十九日のアカバナー」では魔除けとしての意味も兼ね合わせた家の正面に設けられた目かくしの塀であるヒンプンが登場します。仏桑華(アカバナー)とはハイビスカスの沖縄での呼び名(物語は本家と分家との葛藤が描かれています)。

また「天女の幽霊」では沖縄独特のユタ(ひと言でいえば、シャーマン)が登場し、先祖崇拝が強い沖縄で今も根強く残るユタの託宣重視を背景に物語が進行していきます。

最も理解しやすかったのは「エントゥリアム」。沖縄からハワイへの移民一世である祖父。1900年代前半、ハワイに移民した当時には子どもに日本の教育を受けさせるために妻と子を日本へ帰らせることが多く、主人公(孫)が祖父の死の直前にハワイの病院を訪れ、初めて祖父が移民として生きた苦労の一端を垣間見るという物語。

「普天間よ」は沖縄の悲劇を描いた小説でしたが、この「レールの向こう」は沖縄の地域性、風土、そして「悲劇」を背景に「生きる」人々の深層を描いた作品だといえます。
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出身中学校へ

今日、豊中に帰ったついでに私の出身中学校(豊中2中)を見にいきました。
2中正門
歩いたコースは昔の「通学路」とは反対側から…そのためもあって道に迷ってしまいました。大阪大学側から2中を目指していると昔とは全く景色が変わり、新しい家がズラ~ッと並び、学校のすぐ裏まで来ているのにそのことが分からず…公園にいた人に尋ねると…「次の十字路を左に曲がるとすぐです」???
公園 
2中裏
私が入学した当時、鉄筋校舎は現在の北館東と北館西、計15教室分しかなく、あとは全て木造校舎でした。すでに体育館やプールはありましたが…当時と変わらないのは運動場へ下りる坂と階段。
2中坂と階段 
体育の授業ではこの階段辺りで男子は着替えをしていました。
 2中階段
私は19期生で、学年の生徒数は520人ほど、12組まであるマンモス校でした。当時は桜井谷小学校と大池小学校、そして上野小学校校区の一部がこの中学校に通っていました。私は圧倒的少数派の上野小学校出身者。大部分は3中へ。

正門前の道は当時の面影を残しています。実は、この道は思い出深い道なのです。
2中思い出の道
他人様にとってはショーモナイ!ことですが…中学校を卒業する頃のことです。1人で中学校に向かって歩いていると(もしかすると帰り道かも)向こうの方から1人の女の子が歩いてくるのに気づきました。その女の子は私が中学2年のときの同級生で「初恋の人」。一度も話したことがない、話しかけることができなかった「憧れの君」。

もう二度と会うことはない、周りに誰もいない今が最後のチャンス…と思い…その子との距離が縮まり、何か言わねば…結局、視線を交わすこともなく黙ってすれ違ってしまった純粋なボクチャンでゴザイマシタ。

このことを16年前に中2のクラス同窓会で彼女に思い出話をしたのが初めての会話でした…

そんなことを思い出しながら中学校の周りを一周し、昔の通学路を久しぶりに歩いてみました。

桜井谷小学校を右に見ながら坂を下りると、バス通り。交差点を渡って用水路に蓋をした「道」を通っていたのですが…ここだけは昔と変わらず、残っていました。
桜井谷小学校 交差点
その細い道沿いには今も畑があり、道沿いの家も昔のまま(一部だけですが)…この道を友だち数人と千里川までバカ話をしながらいっしょに帰り、それからは1人抜け2人抜け…あの頃の下校時の楽しい「道」は途中から景色が様変わり。
通学路 (2) 通学路 (3) 通学路 (4) 千里川
それは「大阪モノレール」と「中国縦貫自動車道」ができたため。中学生のときは景色を遮るものは何もなく家の窓からは箕面の山々がよく見えていましたが、今は高層マンションや自動車道などがジャマして…。
中国自動車道とモノレール モノレール
小学校低学年の頃までは家の前の道や近くの田んぼや空き地が「安全」な遊び場所でした。幼稚園の頃までは牛の糞が落ちているのは当たり前。今となっては遠い昔の物語です…
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鶴見緑地の「咲くやこの花館」へ=その2= 

昨日のブログの続きです。

今日は「乾燥地植物室」と「高山植物室」をご紹介します。

「乾燥地植物室」に入ると…小さなサボテンがお出迎え。
お出迎え小さなサボテン
その向かいには、「世界三大珍植物」の一つとされているキソウテンガイ。2枚の葉だけをヒラヒラと伸ばし続けていくユニークな植物で説明を読むと5000年も生きるものがあるとのこと。
キソウテンガイ(奇想天外)
※「世界三大珍植物」というのは、オオオニハスとラフレシア、キソウテンガイを指すようです。昨日は紹介しませんでしたがオオオニバスの写真を撮っていました。ラフレシアはガラス越しにしか見ることができず、写真は撮っていません。
オオオニバス
多肉植物のコノフィツム・ビロブムに花が咲いていました。
コノフィツム
刷毛のようなフサフサの花を咲かせるハエマンサス
ハエマンサス  
黄色の美しい大輪、天司丸
天司丸
羽毛のような白い毛で覆われているサボテン、しらほし(白星)が花を咲かせていました。
しらほし(白星)
大きなサボテンももちろんたくさん栽培されています。
大きなサボテン
「高山植物室」に入ると…ヒンヤリ。ムッとする熱気に包まれたところから急に涼しいところへ入り、気分爽快。標高5000メートル辺りまでの高山植物が育てられるように室温が保たれています。
高山植物室
ヒマラヤの青いケシの仲間、メコノプシス
メコノプシス
ヒマラヤ原産で玉咲桜草と呼ばれるプリムラ・デンティキュラータ
プリムラ・デンティキュラータ
「高山植物の女王」と呼ばれる日本原産のコマクサ(駒草)
コマクサ
「愛する人へそっと贈ったクロユリを相手の人が手にとれば、二人はきっと結ばれる」、というアイヌの伝説があるクロユリ(黒百合)。
クロユリ
品種改良されていない原種シクラメンのシクラメン・ヘデリフォリウムとシクラメン・グレイカム
シクラメン・ヘデリフォリウム  シクラメン・グレイカム  
映画「サウンド・オブ・ミュージック」でおなじみのエーデルワイス。花びらに見える部分は白い綿毛に包まれた「苞葉」と呼ばれる葉っぱが変化したもので、花本体はその中心部に集まっている黄色い粒ですが花期の終わりで黄色くはありませんでした。
エーデルワイス
「咲くやこの花館」の前には国際花と緑の博覧会(花の万博)のシンボルタワー、鶴見緑地展望塔があります。残念ながら5年前から営業が休止されています。
鶴見緑地展望塔
この日は多くの小学校から遠足の目的地としてこの鶴見緑地に来ている大勢の子どもたちで賑わっていました。芝生や遊具は小学生だらけ…。
遠足
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鶴見緑地の「咲くやこの花館」へ=その1=

豊中へ帰ったついでに鶴見緑地にある「咲くやこの花館」に寄ってきました。

ご存知の通り、今から25年前(1990年)に「国際花と緑の博覧会」が開催され、半年間に2300万人を超える来場者があったあの博覧会で大阪市のパビリオンだったのが「咲くやこの花館」です。
咲くやこの花館
園内のマンホールの蓋を見ると「EXPO’90」の文字が…
マンホールの蓋
館内にあるレストランで軽い昼食をとってから入園。園内には熱帯から極地までの植物、およそ2600種、15000株が栽培されています。

1階は「熱帯雨林植物室」「熱帯花木室」「乾燥地植物室」「高山植物室」と4つに区分けされています。

今日は「熱帯雨林植物室」「熱帯花木室」に咲く珍しい花などをご紹介します(ガジュマルやベンジャミンゴムノキなど熱帯ジャングルの樹木は省略します)。

多くのランの仲間が出迎えてくれました。ランやバンダ、カトレア、その類似種など…
ラン ラン (2) バンダ カトレヤ カトレア カトレヤ類似属
小指の先っちょよりも小さなラン、エピデンドルム・ピリフェラム
エピデンドルム・ピリフェラム
世界一美しい花と呼ばれているニューギニア原産のムクナ・ベネッティー
ムクナ・ベネッティー
パッシフローラ・ネフロデス(トケイソウの仲間)と名前が分からなかったトケイソウの仲間
パッシフローラ・ネフロデス トケイソウの仲間
沖縄では、サンダンカ、デイゴと並ぶ三大名花と呼ばれ、県花に指定されているオオゴチョウ(黄胡蝶)
オオゴチョウ
いろんな色があり、きれいな熱帯スイレン
熱帯スイレン (2) 熱帯スイレン (3) 熱帯スイレン
ランのような美しい花と咲いたあとにできた実が割れてでてきた綿のような繊維が同時に見ることができたトックリキワタ
トックリキワタ
扁平な桃色の花穂を単生し、3㎝程度の紫色の花を咲かせるティランジア・キアネア。樹木に着生して生育する植物です。
ティランジア・キアネア
バナナの近縁にあたり熱帯アフリカ、中国南部、東南アジアなどに分布するエンセテ・スペルブムの花が咲いていました。表示板がなければ「花」だとは気づきません。
エンセテ・スペルブムの花
この他にも多くの熱帯の花が咲いていましたが、あまりにも数が多く…省略せざるを得ません。

明日は、「乾燥地植物室」「高山植物室」に咲く珍しい花などをご紹介します。お楽しみに…。
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久しぶりにYouTubeの「あたなへのおすすめ」=アコーディオン演奏=

久しぶりにYouTubeの「あなたへのおすすめ」からアコーディオン動画だけをご紹介します。

過去の視聴歴から勝手に選んで表示されていますので、私の好みでない演奏も含まれています。

おまけに私には到底弾くことのできないものばかり…。こんな風に弾けたらいいなあと思いながら聴きました。アコーディオンには興味がない!と仰る方はせめて1曲だけでもお聴きいただければウレシイです。

タンゴ・プア・クロード (桑山哲也)
Vincenzo Abbracciante - Czardas von Monti
ホップアップアルカ3
CHardash V.Monti
La Valse a Margaux - Richard Galliano
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プロフィール

キク

Author:キク
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◆松原アコーディオンクラブ・奈良アコーディオン愛好会・ぱすとらあるアコ所属。
◆日本アコーディオン協会評議員

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