「天女湯おれん これがはじまり」

諸田玲子の「天女湯おれん これがはじまり」(講談社)を読みました。
天女湯おれん
この本がシリーズ第2作目だということを知らずに借りたのですが、前作を読んでいなくても全く問題はありませんでした。

このブログを書くために「『BOOK』データベース」を検索するときに「天女湯おれん」というシリーズ1作目があることを知ったのですが、1作目の小説の「前史」が書かれているため、独立した長編として本作だけを読んでもOKだったのです。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
文政十二年、江戸の町を焼き尽くす大火によって、おれんは、義父も湯屋も失ってしまう。幕府が作ったお救い小屋で生活を始めるおれん。しかし、気風の良さで天女と慕われる彼女のもとには、ここでも次々と厄介事が持ち込まれるのだった。湯屋と裏長屋の再建のため、懸命に走るおれんを描く、爽快な人情話。

時代小説を読んでいると、江戸の大火のことがよく登場します。江戸の大火で最大規模のものは明暦の大火(1657年)で、面積・死者数共に日本史上最大の火事(戦争によるものを除いて)だったようです。

この小説は文政の大火(1829年)を扱っています。

主人公は、八丁堀の「天女」と慕われているおれん。おれんは武家の娘でしたが、母が理不尽な目にあって自害。父は浪人となり、貧しい暮らしがたたって湯屋で倒れ、湯屋の主である利左衛門に助けられたことがきっかけで居候となり、病死するまで湯屋で働いていました。

父の死後、利左衛門(妻は3年前に病死、実子二人も早世)の養女となり、今は義父が営む湯屋を手伝っています。

朝の五つ(午前8時前後)から夜の五つ(午後8時前後)まで次々に町の人々がやってくる八丁堀の北島町にある湯屋が空いている午(ひる)近く、使用人たちが早めの昼餉をとるときに、おれんが番台にいる義父と交代しようとしたまさにそのとき、火事の知らせが・・・。

八丁堀からは離れた神田佐久間河岸から出火した火事でしたが、風向きが悪く八丁堀どころか東は両国橋まで、西は須田町から西鎌倉河岸まで、南は佃島から新橋まで、いっさいを焼き尽くしすさまじい被害をもたらします。

火事で利左衛門は焼け死に、おれんが様々な人々の力を借りながら湯屋を再建し、「天女湯」の女将となるまでを描いた物語です。悲惨な火事による生活苦や暮らしの激変ぶりがていねいに描かれ、同時に復興までのおれんたちの力強さも描かれ・・・一気に読ませる力を持った小説でした。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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「第42回西日本アコ仲間の集い」・第3回実行委員会+葛城山麓公園

「第42回西日本アコ仲間の集い」(2017年9月2日~3日、国際障害者交流センター『ビッグ・アイ』で実施予定)の第3回実行委員会が豊中市立中央公民館で開催されました。
中央公民館
少し早く到着したので、持ってきていた楽譜を見るために一階にある共用スペースの椅子に座ろうとすると・・・前回までまったくその存在に気づかなかった「井戸」があり、ビックリ。
奈良時代の井戸
説明を読むと、34年前に豊中市南部にある上津島南遺跡の発掘調査で出土した奈良時代の井戸で、当時の井戸としては保存状態がよく、市の指定文化財となっているものだそうです。

楽譜に目を通していると実行委員会に参加する方がエレベーターに向かうのが目に入り、急いで荷物をまとめてエレベーターへ。

今回の実行委員会では、当日のプログラム(「時間割」)の最終決定と「開催要項」に書くべき内容、参加費等々を決め、5月の実行委員会で要項と申込書の最終確認をすることなどを話し合いました。
実行委員会 
どこにも寄らず家に帰るつもりでしたが、途中で気が変わり、葛城山麓公園へ寄り道しました。この公園の名物となった横並びの鯉のぼりを見るためです。見ると、風にあおられてワイヤーに鯉のぼりがいくつも絡みついていました。
鯉のぼり
しばらくすると・・・ワイヤーをゆるめて鯉のぼりを降ろし、絡まった鯉のぼりを元に戻す作業が始まりました。
鯉のぼり (2)
山麓公園のシャクナゲは見頃を終えてしまっていました。岡寺で堪能できたので期待はしていなかったのですが・・・
シャクナゲ シャクナゲ (2) シャクナゲ (3)
ちょうど見頃だったのは藤棚のフジとダッチアイリス、そしてオオデマリ。
藤棚 フジ ダッチアイリス オオデマリ
テーマ : 音楽のある生活
ジャンル : 音楽

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「大日堂ぼたん園」

このブログで何度かご紹介したことがある「大日堂ぼたん園」へ・・・今日は車を使わず、散歩を兼ねて妻と二人で歩いて行きました。距離は2km弱。道端に咲く花や景色を楽しみながら・・・。

よく晴れた日でしたので、金剛山や葛城山、二上山がきれいに見えていました。
金剛・葛城 葛城山~二上山
浄国寺の境内にあるのに何故「浄国寺牡丹園」と呼ばないのか、ずっと不思議に思ってきました。

ネット情報なので正しいかどうか??ですが・・・江戸時代、この地にあったのは長法寺(鎌倉時代に開創)というお寺で、住職がいなかったため浄国寺を招き、明治になって合併して長法寺となり、その後、「長法寺」を排して「浄国寺」となったそうです。

現存する大日堂や観音堂、地蔵堂などは「旧長法寺」のもので、「ぼたん園」は地元の方々が管理されているとのこと。

浄国寺の山門には芳名帳があり、そこには妻の知り合いの名があったそうです。
山門
境内にある石灯籠の中に「重要美術品」に指定されているものがあります。鎌倉時代末期になると、石燈籠が六角形の形から四角形に変化していくようですが、変化の初期の石燈籠として貴重なもののようです。
石灯籠
ボタンの花はちょうど見頃となっていました。
牡丹園 ボタン ボタン (4) 牡丹園 (3) ボタン (3) ボタン (2) 牡丹園 (2)
帰りは新沢千塚古墳群(南群)を歩きました。
千塚古墳群
すぐに畝傍山が見える場所まで行くことができましたが、公園整備工事中のために「新沢千塚ふれあいの里」へ続く園路は通行できず、一旦、県道へ出て「ふれあいの里」へ。
畝傍山 新沢千塚古墳群公園整備
この施設がオープンしたのは昨年の4月24日。そのため「ありがとう一周年」という掲示がされていました。中に入り、ソフトクリームを食べながら休憩。 
ふれあいの里 ふれあいの里内部
最後に散歩中に見た花を少しだけ紹介します。
オオデマリ
オオデマリ
ツツジ
ツツジ
オダマキ
オダマキ
モッコウバラ
木香薔薇
ベニバナツメクサ
ベニバナツメクサ
テーマ : 暮らしを楽しむ♪♪
ジャンル : 日記

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「ガンコロリン」

海堂尊の「ガンコロリン」(新潮社)を読みました。
ガンコロリン
奇をてらった作品のオンパレード。よく言えばブラックユーモアに溢れた?短編集。ウケをねらった駄洒落を言ってみんなにキョトンとされるぐらいなら、正面から医療問題に切り込んでほしかったと思わせる上滑り感の拭えない医療短編小説集です。

「健康増進モデル事業」「緑剥樹の下で」「ガンコロリン」「被災地の空へ」「ランクA病院の愉悦」という5編からなる短編集です。

「螺鈿迷宮(上)(下)」という長編を読んでからずっと遠ざかっていた作家ですが、久しぶりに読んでガッカリさせられました。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
夢の新薬開発をめぐる大騒動の顛末を描く表題作ほか、完全な健康体を作り出す国家プロジェクトに選ばれた男の悲喜劇を綴る「健康増進モデル事業」、医療が自由化された日本の病院の有様をシニカルに描く「ランクA病院の愉悦」など五篇を収録。

全ての短編が架空の物語ですが、ある程度現実を反映している内容を含み、それなりにオモシロイのですが少しふざけすぎて白けてしまいます。

「健康増進モデル事業」では・・・あるサラリーマンに厚生労働省医療健康推進室から「・・・ラッキーな当選者です。」「健康優良成人策定委員会のモデルに選ばれました」というお知らせが届き、日本国民から3名だけ無作為に選ばれ、半年間、健康を追求する手助けを行うというもの。

内容は省略しますが、このサラリーマンが健康になったのは、一度もとったことがない年休をとり、上司からのパワハラから脱出するなど、会社や社会からのストレスから解放されることによって人間的な生活を取り戻せたこと。

「ガンコロリン」では・・・飲むだけでガンを予防できる薬が開発され、ガンの手術が激減。結果、外科医の腕は落ち、ついには消化器外科が消滅。しかし、20年後にはガンコロリンに耐性を持つ新型のガンが出現。絶滅寸前となっていたために手術ができる外科医はいなくなっており・・・という内容。

「ランクA病院の愉悦」では・・・大勝した阿房政権がTPPに参加し、日本の医療を米国保険業界に売り渡して2年が経ち、TPPに付随した自由診療推進の結果、公立病院には3段階、4種類の基本医療システムが導入され、受験の偏差値なみの格付けとなった社会を描いています。

売れない作家が頭痛で困ったときにランクC病院に行くと、自動診断ロボットのトロイカ君に診察してもらい薬を処方してもらうという仕組みになっていて、処方されたアスピリンを飲むとすぐに頭痛は治まり・・・こんな経験を持つ作家に週刊誌の短期集中連載企画が持ち込まれます。

連載内容は、ランクC病院での受診とランクA病院での受診をして両機関の対応を比較検討するというもの・・・。

現実に、国民皆保険が壊され、混合診療が拡大・解禁されるかもしれない(貧富の差で医療に差をつけられる)ことを考えると決して有り得ない話ではありません。

作者の本業は、医師。こうした医療に関わる問題をお遊び的な描き方でふざけて書くのはいただけません。ユーモアというのは人を笑顔にさせるものです。この小説にはユーモアを感じることはできません。後味の悪い作品でした。
テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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岡寺のシャクナゲと万葉文化館の庭園=その2=

 岡寺を後にして、県立万葉文化館へ。
岡寺
館内には入らず、万葉庭園を散策しました。
万葉庭園 万葉庭園 (2)
庭園には万葉歌碑が6基あります。下の写真はその一つで、「変若水の瀬(おちみずのせ)」。
万葉文化館 (2)
天橋も 長くもがも 高山も 高くもがも
月読の 持てる変若水 い取り来て
君に奉りて 変若しめむはも
(巻13-3245)

何のことやらサッパリ??? 一応「文学少女」で国語教師だった妻に聞いてみると、全20巻、4500首にも及ぶ歌のうち知っているのは50首ぐらいで、この歌は妻も???でした。

庭園内には「飛鳥池工房遺跡」もあります。
工房遺跡
飛鳥時代のガラスや金、銀、鉄、銅などの工房が見つかり、同時に日本の歴史を塗り替えることとなった「富本銭」もこの工房跡から見つかっています。それらの遺跡はすべて埋め戻され、万葉文化館の建物や駐車場の地下深くに(4m下)コンクリートで閉じ込められ、こうした措置に批判の声が上がったという歴史があります。

飛鳥池工房の北側遺跡が復元されて万葉庭園内にあるのです。飛鳥大仏が鋳造されたと思われる貴重な遺跡の「復元」に過ぎません。日本最古の富本銭鋳造跡も全て埋め戻され、今は文化館中庭にレプリカがあるのみ・・・。

庭園内に咲いていた花を紹介します。

最も目についたのはまだ蕾状態のヒメウツギ。開花寸前のものもありましたが・・・。
万葉ヒメウツギ
同じくドウダンツツジ。こちらは今が見頃。写真は省略します。
やっと実物にお目にかかれて喜んだのが、サギゴケ。紫色のムラサキサギゴケはたびたびこのブログに登場していますが、白色のものを見たのは初めてです。
 万葉サギゴケサギゴケ
高天山草園で見たことがあるイカリソウ。
万葉イカリソウ
紫蘭(シラン)。我が家にあるのは黄色いシランでもうすぐ咲きそうです。
万葉シラン
八重桜
 万葉サトザクラ(八重桜)
馬酔木(アセビ)
馬酔木
テーマ : お出かけ日記
ジャンル : 日記

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プロフィール

キク

Author:キク
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旧「アコーディオン好きの徒然日記」ともどもよろしくお願いします。

◆松原アコーディオンクラブ・奈良アコーディオン愛好会・ぱすとらあるアコ所属。
◆日本アコーディオン協会評議員

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