「ストレンジャー・イン・パラダイス」

小路幸也の「ストレンジャー・イン・パラダイス」(中央公論新社)を読みました。
ストレンジャー・イン・パラダイス
舞台となるのは、東京までバスや電車を乗り継いで6時間もかかる町、「晴太多(はれただ)」。その名の通り一年を通じて晴れの日が多いことを特徴とする町で、全面積の80%が山という美しい自然を持ちながら観光地になるようなものが何もない町。

章によって一人称語りする人物が変わっていくという手法を用いているのですが、実質的な主人公は土方あゆみ(30歳、独身)。東京の会社で広報を担当していましたが、社長との関係がうまくいかず悩んでいた時期に故郷の役場に勤める同級生から誘いがあって地元にUターンした女性。

限界集落と言っていいほどになってしまった故郷を再興するために戻ってきてからの2年間を描いた物語です。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
ここは阿形県賀条郡“晴太多”。名物も娯楽もない山奥の、ほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、なんだかワケありなはぐれ者(ストレンジャー)たち。彼らが抱える忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む―。『東京バンドワゴン』の著者が贈る、スローライフ・エンタメ小説。

中高生でも楽しめるような読みやすい小説で、軽いカル~イ描き方なのですが、心温まる読後感のよい小説です。

あゆみはアルバイトながら「晴多太いきいき課推進室室長」という肩書きをもらってすぐに取り組んだのはベンチャー企業の誘致。すでに役場勤務の同級生が晴太多全域に光ファイバー網を設置し、ネットでの医療体制も作り、各家庭にパソコンやタブレットがあるという環境がありました。

応じてくれたのは、あゆみが東京で仕事をしていたときにつながりがあったIT企業の「スリー・フィンガー」。主にスマホのアプリを作ったり、廃材をリユースして商品を作って販売したりするベンチャー企業。

いきなり移住することに抵抗がある人のためにシェアハウス風の「晴太多宿」を元々町唯一の旅館だった建物をリノベーションした宿泊施設があります。そこに移ってきたのが「スリー・フィンガー」の若手社員3人。歩いて3分のところに「スリー・フィンガー晴太多サテライトスタジオ」(大きな農家だった家を改築した仕事場)があり、そこで日中を過ごしています。

物語には、世界中を放浪しながらブログにその記事を書いてきたその道では有名な人物や若い革職人、東京でセレブな生活を送っていて、夫の会社が倒産してから離婚して出戻ってきたあゆみの同級生等々・・・様々な人物が登場します。

彼らが力を合わせて「再生」へと進んでいく過程を軽いタッチで描いている物語です。覚束なさや心許なさを感じるのは私だけではないと思いますが、2年後には確かな希望を感じさせる町へと変わっていくまでを描いて・・・物語が終わってしまいます。

この続きが読みたいと思わせるニクイ終わり方です。でも・・・世の中、そんなに甘くない??
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「西南の嵐 銀座開化おもかげ草紙」

松井今朝子の「西南の嵐 銀座開化おもかげ草紙」(新潮社)を読みました。
西南の嵐
シリーズものの完結編だとは知らずに借りてしまいました。所々に前作までを読んでおいた方がよさそうな個所がありましたが、本作だけを読んでも十分に楽しめる内容でした(シリーズを順に読まれた方からすると、そんなことアレヘン!と叱られそうですが)。

西南戦争の前後を描いており、時代小説というよりも歴史小説の範疇に入る小説でした。

舞台の中心となるのは明治10年前後の銀座。もちろん、「雨は降る降る人馬は濡れる 越すに越されぬ田原坂・・・」という歌が残るほど西南戦争最大の激戦地となった田原坂の攻防についても迫力ある描写がされています。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
旧勢力の一掃を企てる政府は西郷隆盛を挑発し、ふたたび天皇家を担いで決戦に臨んだ。最後のサムライ、久保田宗八郎にもついにその時が訪れた…。明治の一大分岐点、「西南戦争」を描く大好評シリーズ完結篇。

主人公は、久保田宗八郎。おそらく前作までに詳しく描かれているのだと思いますが、太政官政府の高官である石谷蕃隆を不倶戴天の宿敵として命を狙う男。

上野の戦で薩摩の官軍隊長だった石谷の残虐非道な振る舞いを見るに見かねて対決に及んだのが9年前。峰打ちで切って捨て、命を取らなかったことが仇となり、太政官政府高官に就いた相手から逆に逃げ回るはめとなります。

その後も血に飢えた獣のごとくむこの人々を餌食にし、親族の小田切宮内や母親代わりに育ててくれた須恵まで無惨に殺された宗八郎は、ある人物に住み家を与えられて隠れるように生きています。

その人物とは・・・実在した人物で、伯父である横浜の豪商を後ろ盾に持ち、岩倉特使派遣の際に渡米留学した経験を持つ戸田三郎四郎氏益(後に日本最初の政治小説『民権講義情海波瀾』を世に出した人物)。

原胤昭とともに耶蘇教(キリスト教)の書店「十字屋」を開き、この小説の中では最も中心的な役割を果たしている人物(主人公ではありませんが)です。

戸田や宗八郎ともつながりがある市来巡査が抜刀隊の一員として田原坂の戦いで「功績」をあげるのですが、宗八郎の不倶戴天の宿敵を討つことと深く関わりを持つことになりますが・・・読む楽しみを奪いかねませんので省略します。

物語は維新の混乱を描くだけでなく、宗八郎の「恋物語」ともなっています。

読みどころ満載のオススメの小説です。できるならシリーズの第1作から読んだ方がいいかも?
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庭に咲く花(梅雨編)

最近、このブログには庭に咲く花を他の記事に紛れ込ませるように細切れにしてご紹介してきました。今日は、まとめてご紹介します。

梅雨に咲く花の筆頭であるアジサイ。遅れて咲き出したものは色が鮮やかですが、ほとんどは色あせてきて・・・もうすぐ見頃を終えそうです。
ガクアジサイ
ツユクサは鑑賞に堪えるような花ではありませんが、梅雨ごろから咲き始めて秋まで咲く「雑草」です。よく見ると美しい青色の花に癒されます。
ツユクサ
ギボウシは観葉植物として植えていますが、梅雨の時期に花を咲かせてくれます。
ギボウシ
ミニバラは毎年咲いてくれていますが、育て方が悪いせいなんでしょう。少ししか咲いてくれないので困ってマス。
ミニバラ (2) ミニバラ
昨年、ものすごくたくさんの花を咲かせたランタナ。枝が伸びすぎて・・・バッサリ、根もと付近まで切ってしまいました。冬を越し、何の変化もないので枯れた?と思っていると・・・葉が出て、今は小さな蕾をつけ始めました。
ランタナの蕾 
春に多くの花を咲かせてくれていたワスレナグサ。数は少ないですが、再び花を咲かせ始めてくれました。
勿忘草
同じく、カスミソウも。一度は全て花がなくなりましたが、また咲き始めました。
カスミソウ
カリブラコアも開花時期が長い植物ですが、桜の時期以降ずっと花をつけてくれませんでした。それが、復活しました。
カリブラコア
カルーナ・ブルガリスに蕾がつきました。肥料が要らない育てやすい花木です。
カルーナ・ブルガリス
今最も勢いがあるインパチェンス。
インパチェンス
反対に花期を終えようとしているのがパンジーとビオラ。長い間、よくガンバッテくれました。一部はすでに抜いて、こぼれ種から生えたニチニチソウの芽をそのあとに植えています。
パンジー ビオラ (2) ビオラ (4) ビオラ
(白に近い)ピンクのキキョウがやっと咲き始めました。
キキョウ
ピンクのカランコエは少し色あせ、今は黄色いカランコエが花数を増やしています。
カランコエ
ユリオプスデージーは秋から春までずっと咲いていました。株が大きくなりすぎたためなのか蕾のままで花が咲かなくなっていましたが、また咲き始めてくれました。そろそろ切り戻しをする予定です。
ユリオプスデージー ユリオプスデージー (2)
毎年、背丈をはるかに超えて伸びるアカンサス。今年はなぜだか伸びてくれません。葉にも勢いがなく・・・植え替えや植え直しが必要なのかもしれません。
アカンサス  
秋まで咲くペンタス。花が少なくなったと思えばまた増え、また少なく、また増え・・・を繰り返しています。
ペンタス
ヒャクニチソウは昨年までとは違う品種を育てています。大輪種で今は脇芽が育っていて花数が増えるのはこれからです。
ヒャクニチソウ ヒャクニチソウ (2)
千日紅は背丈が高くなる赤い千日紅と背丈の低い赤紫の2種類を植えています。
千日紅
キンギョソウは例年と同じで、花が咲いたと思ったらしばらくしてなくなり、また忘れた頃に咲き出し・・・を繰り返しています。
キンギョソウ
マミーキッスやナデシコ、ガザニア、ユリなどは省略します。
テーマ : ■お花が好き♪
ジャンル : 趣味・実用

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奈良アコーディオン愛好会に2人の入会者が

昨日のことです。

奈良アコーディオン愛好会の第2例会日でした。

数日前に代表者のIさんからメールをいただき、Iさんが欠席されるため、代理として「見学者Sさんのお相手」を依頼されていました。見学希望の「新人(女性)」ということしか予備知識がありませんでした。

会議室と講座室の準備を終えた頃に見学の女性がお越しになりました。すでにアコを購入済みだということや一度だけ大阪市内の某教室へ体験講習を受けに行かれたこと、アコを始めようとしたきっかけ、移動手段等々・・・いろんなお話を伺いました。奈良の「松原智美教室」で7月からレッスンを受けることが決まっているそうです・・・いろんなお話をしてから、例会終了まで自由に見学していただきました。そして、奈良アコの一員となることに・・・うれしい「ひと言」でした。
見学
実は、もうお一方、入会者がありました。前回の例会(私は、欠席)に見学にお越しになったNさん。Sさんとずっとお話をしていましたのでNさんとはあまりお話しすることができませんでしたが、Nさんも昨日から奈良アコの一員となられました。初めて知ったのですが、奈良市内の楽器店にアコ教室があり、そこで習われていたそうです。講師がご病気になられてアコ教室がなくなり、奈良アコにお越しになったようです。

4時頃まで、自由練習。
練習
その後、演奏を聴き合いました。Hさんはアコーディオンだけでなくオカリナ演奏も。入会されたばかりのNさんも演奏されました。
S1オカリナ2I3 M4Y5S6 Y7H8N9
 
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松原アコのミニコンサート

昨日のことです。
公民館
1時からは松原アコーディオンクラブの運営委員会。
運営委員会
特に新しい議題はなく、日程の再確認や重奏曲のグループのこと、7月に行われる河南地域音楽フェスティバルでの演奏などについて論議したぐらいで、珍しく予定の3時よりも早く終えることができました。

3時からは年に2回行っているクラブ内のミニコンサート。(欠席者以外)全員が新曲や昔弾いた曲を弾き、お互いに聴き合う会です。「コンサート」という構えたものではありませんが・・・。
プログラム
1番はワタクシ。練習を始めたばかりの曲をゆっくり(間違えながら、つっかえながら)・・・。西アコで弾こうと思っている曲ですが、どうなることやら。
キク1 ハシ2 カワ3 サム4 シモ5 タケ6キタ7 オウ8 オタ9 マツ10 ユウ11 オマケ 
全員が弾き終えると、お茶休憩。Kさんの庭で採れたプラムや団子が見る間になくなり・・・甘いものには目がない松原アコの女性陣(オコラントイテくださいマセ)であります。
お菓子 お茶休憩 お菓子 (2) お菓子 (3)
休憩後、合奏の練習を行いました。河南地域音楽フェスティバルで演奏するメンバーは別室で重奏練習。

昼はムッとした暑さでしたが、帰るときには心地よい風が吹き、気持ちよさを感じながら駐車場へ・・・
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プロフィール

キク

Author:キク
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旧「アコーディオン好きの徒然日記」ともどもよろしくお願いします。

◆松原アコーディオンクラブ・奈良アコーディオン愛好会・ぱすとらあるアコ所属。
◆日本アコーディオン協会評議員

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