「潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官」

川瀬七緒の「潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官」(講談社)を読みました。
潮騒のアニマ
お気に入りのシリーズ最新作です。岩楯警部補と法医昆虫学者の赤堀涼子が異なる立場から事件の真相に迫っていく「法医昆虫学捜査官」シリーズの5作目。

今回の舞台となるのは伊豆諸島にある神ノ出島。架空の島ですが、「神ノ出島固有のミクラミヤマクワガタ」やその他の記述から神津島をモデルにしたものと思われます。

今までのシリーズと同じようにウジの生態を手がかりに赤堀が死亡推定時刻などを見事に推理すると思いきや、それができないミイラ化した死体の謎に迫っていく物語です。

鍵を握る生物は、今話題となっているアカカミアリ。特定外来生物に指定されていて毒性があり、攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性があるヒアリが日本各地で見つかり、各地でヒアリを探す過程で見つかったアカカミアリ。

ヒアリよりは毒性が弱いそうですが、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性がある点は同じです。もちろん、こちらも特定外来生物で防除の対象。今年の「騒動」が起きるまでは、硫黄島、沖縄本島(米軍基地周辺)、伊江島(レーダー基地)に定着していることが確認されていたアカカミアリが東京や愛知、兵庫、大阪などでも見つかっています。

この本が出版された昨年まではアカカミアリの存在を意識することはありませんでしたが、ヒアリ騒動によって各地でアカカミアリが見つかるなんて、作者もきっと思っていなかったことでしょう。

講談社のHPには、次のように紹介されています。
伊豆諸島の「神の出島」でミイラ化した女性の遺体が発見され、警視庁から岩楯警部補が派遣された。首吊りの痕跡から、解剖医は自殺と断定。死亡推定月日は3ヵ月以上前とされた。第一発見者によれば、島のハスキー犬がミイラを引きずってきたらしい。遅れて島に入った法医昆虫学者・赤堀涼子が、事前に解析した微物と、現場周辺を調べて出した結論は……。

神ノ出島で女性のミイラ化した死体が見つかります。身元は衣服に残っていた図書館の貸出カードから荒川区に住む女性であることがすぐに判明します。

発見者は獣医師の男。世話をするシベリアンハスキー犬がどこかから運んできたとのこと。そのミイラはわずかにウジの痕跡を残しているもののきれいにミイラ化しており、解剖医の所見では首つり自殺して、死後3ヶ月以上経っていると・・・。

ここから法医昆虫学者の赤堀涼子の真骨頂発揮。シベリアンハスキー犬からアカカミアリを見つけ、犬の行動を追って島民が住む町とは遠く離れた洞窟で新たに5体ものミイラ化した遺体を発見するのです。

そのミイラからは数知れぬほどのアカカミアリが出てきたのです。アカカミアリは遺体の中に「コロニー」を作っていたのです。

紹介は、ここまで・・・これからが物語の核心部分で、アカカミアリとウジとの関係やミイラ化の経過から最初に発見された女性が殺された日付まで特定していき、この島でしか「ミイラ化」が起こらない背景が解き明かされていきます。

5作目の本作も読み応え感タップリのオススメ作品でした。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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◆松原アコーディオンクラブ・奈良アコーディオン愛好会・ぱすとらあるアコ所属。
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