「菩提樹荘の殺人」

有栖川有栖の「菩提樹荘の殺人」(文藝春秋)を読みました。
菩提樹荘の殺人
「アポロンのナイフ」「雛人形を笑え」「探偵、青の時代」「菩提樹荘の殺人」という4編が収められた短編集です。

「あとがき」によれば、4編に共通するモチーフは「若さ」。

「アポロンのナイフ」は少年犯罪をテーマにし、「雛人形を笑え」では殺されたのが若手漫才師。「探偵、青の時代」は、このシリーズの探偵役である臨床犯罪学者・火村英生の学生時代の名探偵ぶりが回想され、「菩提樹荘の殺人」では殺されたのがテレビ出演で人気が出てアンチエイジングを売りにしていた53歳の心療カウンセラーの男。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
瀟洒な邸宅の広大な庭。池の畔、大樹の根元に転がる肉体美を誇った男の死体。上塗りされた虚飾が剥がれ落ちてゆく―火村英生シリーズ最新作!

今回は小説の紹介はここまでにして、私が読んでいて一番関心を持ったことについて少しだけ・・・

それは、シューベルトの歌曲集「冬の旅」の5曲目である「菩提樹」のこと。この曲の日本語訳について火村が語る場面があり、「『泉』は原文ではブルンネンで、池や湖ではなく『噴水』だな」と語っています。

ここを読んだとき、5年前に妻と二女、私の3人でハンガリー、オーストリア、チェコを旅行したときのことを思い出しました。

「ウィーンの森」にシューベルトが静養のためにやってきて「菩提樹」などを作曲し、31歳の若さで亡くなった地で、現地のベテランガイドさんから「菩提樹」の「泉」は本当はこの「井戸」のことだという説明を聞いて信じ込んでいた時期がありました。事実、そのときのブログには「井戸」と「西洋菩提樹」の写真を載せて、「泉」ではなく「井戸」のこと・・・などと書いてしまっていました。

現地ガイドによれば、ドイツ語のBrunnenは「泉」や「井戸」などと訳せ、「泉」は間違いで、目の前にある「井戸」が当時から残っているもの云々という説明があり、そう思い込んでしまわされました。

でも、よく考えれば・・・詞はドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集からのもの・・・シューベルトが作詞したのではありません。そして、静養していた小屋(当時は)のような建物に西洋菩提樹と井戸があるというのはあまりにも不自然。

真偽の程は分かりませんが、おそらく現地ガイド(元日本人)の勝手な解釈?
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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