「相も変わらず きりきり舞い」

諸田玲子の「相も変わらず きりきり舞い」(光文社)を読みました。
きりきり舞い
2014年に出版された本で、2009年の「きりきり舞い」の続編でした。前作のことを知らずに読みましたが、何の問題もありませんでした。

前に読んだ「天女湯おれん これがはじまり」も1作目を読まずに2作目だけを読んだのですが、こちらは1作目の「前史」が描かれていたので1作目を読まなくてもOKだったことを思い出しました。

「相も変わらず」「祝言コワイ」「身から出たサビ」「蓼食う虫も」「人は見かけに」「喧嘩するほど」「人には添うてみよ」という7編からなる連作短編集です。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
小町娘と評判の舞は十返舎一九の娘。なぜか父や葛飾北斎の娘、お栄ら、奇人変人たちの大騒動の後始末ばかり。恋を邪魔され、縁談は壊され、いつも唱えるまじないは、「奇人気まぐれ、きりきり舞い!」。

つい最近読んだ朝井まかての「眩(くらら)」の主人公であるお栄(葛飾北斎の娘)が「奇人」としてこの物語にも登場しています。

奇人の筆頭格は舞の父、十返舎一九。「東海道中膝栗毛」で一世を風靡して流行作家となりましたが、この物語の時代は中風を患った後で、思うように書けずに悩んでいることに加えて、昔からの大酒飲みを止めず、年がら年中、金欠病。

もう一人の奇人は、一九の弟子で居候の今井尚武。この男は仇討ちのために駿河から江戸に出てきた男で、ようやく敵を見つけたものの刃を交える前に死なれてしまい・・・大食漢の居候は勝手に舞の許婚になった気でいる「いけずうずうしい」男。

舞は踊りの師匠。舞の師匠だった勘弥姐さんが嫁いだあとをそっくり引き継ぎ、3日に2日は稽古場へ通っています。

朝井まかての「眩(くらら)」を読んだばかりでしたので、お栄の人物像がしっくりこないのですが・・・どちらも作者のフィクションなので仕方ないことと自分を納得させざるを得ません。ほんの少しだけ登場する北斎についてはある程度人物像が重なり、違和感を覚えることはありませんでした。

奇人たちが起こす騒動に振りまわされて「きりきり舞い」させられる舞ですが、ぼやきながらも後始末をしていく舞。

地の文を取っ払って会話(台詞)だけにしてしまうと・・・ドタバタ漫画を読んでいるような、理屈抜きでオモシロイ時代小説です。言い方を変えると、軽いタッチのコメディーもの?

奇人の奇行を「奇行」のまま終わらせないのがこの小説の良い点? 奇人として描きながら周りの者を思いやる気持ちをさりげなく書き込む作者の描き方に感心させられます(この点は、評価の分かれるところかも)。
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ジャンル : 小説・文学

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