「蜩ノ記」

葉室麟の「蜩ノ記(ひぐらしのき)」(祥伝社)を読みました。
蜩ノ記
葉室麟の時代小説を何冊か読みましたが・・・今までに読んだ中では最高傑作と言ってよく、最も胸を打つ作品でした。

時代小説の中で好んで読んできたのは「市井もの」でした。捕物帖や剣豪小説なども読んできましたが・・・「武家もの」はつまみ食い程度。そんな私ですらこの作品には深く胸を打たれ、読み終えてからしばらく余韻に浸っていました。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり…。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説。

5年前に第146回直木賞を受賞した作品で、その後に映画化されたりラジオドラマ化されたりしましたのでご存知の方が多いことだと思います。

江戸時代後期の豊後羽根藩(架空の藩)を舞台とした時代小説です。些細なことをきっかけに城内で親友とけんかになり、刃傷沙汰を起こしてしまった檀野庄三郎が主人公。

「BOOK」データベースに書かれていることは省略・・・

最も心を打たれるのは、秋谷(しゅうこく)の息子・郁太郎の親友である近所の百姓の子・源吉が拷問を受けて殺される場面。その死に顔はおどけて笑っている・・・その顔は小さな妹をあやしているときのおどけた表情そのものだった・・・この場面が強烈に読者の心を揺さぶります。

そして、物語が終えようとする直前、郁太郎が拷問を受けて死んだ源吉のために家老屋敷へ乗り込んで家老を切りつけようとする場面・・・結末はどうなるのだろうと思うほど残りページ数が少なくなったあたりから急展開します。

さまざまな人間ドラマがぎゅっとつまった、人生の応援歌とも言える時代小説でした。

時代小説を敬遠されている方には特にオススメします。


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ジャンル : 小説・文学

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