「タッグ 私の相棒」

日本推理作家協会編「タッグ 私の相棒」(角川春樹事務所)を読みました。
タッグ私の相棒
今野敏「光陰」・西村健「張込み」・柴田よしき「真夜中の相棒」・池田久輝「舞台裏」・押井守「後席の男」・柴田哲孝「孤月殺人事件」・逢坂剛「再会」、以上の7話が収録されています。

複数の作家の作品を集めた「アンソロジー」を何冊か読んだことがあります。どの作品も短すぎて読み応えがなかったものや「お気に入り」作家を見つけるきっかけとなったもの、好みでないSFものが混じっていて遠ざけていたSFのよさを感じることができたもの・・・いろいろありました。

今回久しぶりに「アンソロジー」を借りたのは・・・7人の中で西村健と池田久輝、押井守の作品を読んだことがなく(たぶん)、この中に「お気に入り」となる作家がいてほしい、という期待があったためです。

・・・が、見事に裏切られてしまいました。

出版社のHPには、次のように紹介されています。
お前がいて俺がいる!警察小説の最前線が、ここに集結!エンターテインメント界のベテランから新人まで、豪華執筆陣の警察小説アンソロジー。ひらめき型の刑事、全く話が噛み合わない奴、骨董に詳しい祖父、小学校からの幼馴染など――それぞれの相棒物語。逢坂剛「御茶ノ水署」シリーズ、柴田よしき「RIKO」シリーズや、今野敏「東京湾臨海署安積班」シリーズ、押井守「機動警察パトレイバー」のスピンオフ作品、西村健、柴田哲孝、池田久輝のオリジナル短篇を収載。

唯一読み応えがあったのは、柴田哲孝の「孤月殺人事件」。

テレビのコメンテイターによくかり出され、少しは名の知れた弁護士・徳本はかなり以前から骨董の趣味がありました。その徳本が古備前の壺で頭を割られて殺害される事件が起きます。この事件を担当する刑事の中に有田という新米刑事が・・・殺人事件の「現場」を担当するのはこの事件が初めて。

「モノ盗り」の犯行にしては数十万から数百万、一千万円以上もする高価なものが盗まれておらず・・・有田の祖父で骨董屋の荘助が捜査に「協力」することになり(有田の「相棒」となるのです)、事件の謎を解明していきます。

「骨董」についてかなり深い知識があるからこそ謎が明らかにされるのですが・・・骨董の世界を知らない私には新鮮でした。書画や日本画の原本を剃刀で薄く2枚にはがし、2つの「本物」を作る技法が昔からよく用いられ、それを「ヒコーキ」と呼ぶそうです。つまり2つの「本物」が存在(もちろん、「真作」としての価値はなし)・・・近年はこの技法を伝える贋作師がいなくてほとんど見かけることはないようです。

この「ヒコーキ」で作られた2つの「本物」も「相棒」、というわけです。
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ジャンル : 小説・文学

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