「風かおる」

葉室麟の「風かおる」(幻冬舎)を読みました。
風かおる
表紙の装画を見ると今までに読んだ葉室作品とは趣が異なり、爽やかで潤いに満ちた時代小説?だと思って読み始めました。

ところが・・・小説を読み進めると、どろどろとした過去の因縁を引きずり、遺恨を持った武士の執念を背景に持つ物語でした。もちろん、このことは柱の一つで全てではありません。読み終えたときには、装画や表題から感じたことが誤りではなかったと思える、そんな「複雑」な作品でした。

また、「推理」小説としての側面が強い時代小説でもありました。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
鍼灸医・菜摘は、「妻敵討ち」の旅から戻った養父・佐十郎と十年ぶりの再会を果たす。しかし帰藩した佐十郎は不治の病に侵され、妻敵討ちは何者かに謀られたものだと口にした。弟・誠之助、彼に思いを寄せる千沙とともに真相を探る菜摘は、やがて哀しい真実に突き当たり―。炙り出される組織の不条理、人間の業と欲。人を信じることの忍耐と苦悩。若者たちは何に人生の光を見出したのか?

主人公は、3歳のときに武内佐十郎のもとに養女に出され、佐十郎がわけあって致仕したために離縁されて実家に戻り、実家で3年ほど過ごしてから7年前(16歳のとき)に鍼灸医の佐久良亮に嫁した菜摘。

夫の亮から指導を受けて、鍼灸術だけでなくオランダ医学にも通じるようになっていた菜摘を博多に残し、亮は1年前から再び医学を学ぶために長崎へ。通いの女中だけの家では不用心なため、実家から弟の誠之助を呼び一緒に暮らしています。

ある日、菜摘に城下はずれにある庵にいる患者を診てほしいと依頼があり・・・診にいくと、患者は10年間親子であった武内佐十郎だったのです。

佐十郎はある人物にはめられて、藩を致仕して妻敵討ち(めがたきうち)の旅に出ており、東国で逃げた妻(菜摘の元義母)と密通相手の男を斬り(実は、妻の話を聞いて斬ることなく戻ってきたのですが)、ある人物と果たし合いをするために博多に戻ってきていたのでした。

物語は、果たし合いを止めさせようとする菜摘らが佐十郎を翻意させようと過去の出来事を探り、果たし合いの相手が誰なのかを追っていく過程を描いています。

あとは読んでのお楽しみ・・・。

※この本は2015年に出版されたもので、今年、続編にあたる「潮騒はるか」が出版されたそうです。
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ジャンル : 小説・文学

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