「お春」

橋本治の「お春」(中央公論新社)を読みました。
お春
たった一冊だけしか読んだことがない作家です。「初夏の色」という短編集は東日本大震災に関わって生きる人々の生活・思いを描いた作品が6編中4編あり、駄作もありましたが全体として読後感のいいオススメの作品でした。

ところが本作は・・・まとも?な人物が登場することがなく、欲情にかられる主人公である17歳のお春が婿を迎えるまでの1年を描いた物語で・・・完璧なハズレ作品でした。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
艶やかで猥雑な江戸の夜。未だ男を知らぬ十七のお春。彼女をつけ狙う男たち。女と男の愚かな情欲が絡み合う―橋本治が文豪・谷崎にオマージュを捧げる快作時代小説。

浅草花川戸の北国屋という大店の一人娘であるお春。母親のお吉は着飾って芝居見物に足繁く通い、30半ばにして若い女方役者の子を身籠もります(お春が15歳のとき)。北国屋の主である夫の清兵衛に腹を足蹴にされたことがきっかけで亡くなってしまいます。

お春はお吉にかわいがられた記憶はなく、美しい母が着飾って色気たっぷりの形で出かけるのを見ると憎悪のような感情が湧き、世を去ったときにはほっとしたお春。

17歳になった年、お春に縁談話が舞い込みますが、お春には内緒で話が進んでいきます。そんなある日、三十を過ぎた店の二番番頭の伝九郎が寝所に忍んできて・・・母親の淫蕩な生活を嫌っていたお春でしたが、手習い仲間の娘の家で枕絵を見たことがあるお春は何をされているのか理解できないながらも、「来る、来る、来る」と思いながら自ら腰を突き上げ・・・アホラシイのでこの場面の紹介はここまで。

お春を襲った伝九郎は翌晩も「待ち焦がれているだろうな」と思いながらお春の部屋に忍び入ると・・・お春に騒がれ、店を出て行って行方不明になってしまいます。父や乳母のお米はお春の部屋で何があったのかを知って知らぬふり。

縁談の相手との「顔合わせ」をするために舟遊びに出かけたお春は、伝九郎に駕篭で掠われてしまうのですが・・・たまたま通りかかった侍に助けられます。

ここから話はさらに???な展開。この侍はお春を囲ってしまうのです。もちろん、お春は自らの意志でそれを受け入れ、逃げようと思えば逃げることができる状態にあるにもかかわらず、この侍を迎え続けるのです。そしてさらに理解しがたいのは娘が行方不明になっているのに父の清兵衛は番屋に届けも出さず・・・。

最後の場面では、侍の子を身籠もったお春が「縁談話」の相手と祝言を挙げ・・・5ヶ月後に地震に襲われ、流産・・・。

こんなに後味の悪い小説はめずらしいです。
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ジャンル : 小説・文学

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