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「今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話」

宇江佐真理の「今日を刻む時計 髪結い伊三次捕物余話」(文藝春秋)を読みました。
今日を刻む時計
2年前に亡くなった宇江佐真理にはシリーズ作品が3つありました。「泣きの銀次」シリーズ(全3册)は全て読みました。「古手屋喜十為事覚え」シリーズ(全2册)は第1作だけ。「髪結い伊三次捕物余話」シリーズ(全16册)は今回の作品が2冊目です。

専ら読んでいたのは、シリーズ外作品。たぶん40数册中30数冊は読んだほど宇江佐作品に魅せられてしまったのですが・・・。「髪結い伊三次捕物余話」シリーズでは「さんだらぼっち」を第4作目と知らずに読んでしまい、次からは第1作目から順に読もうとしていたのですが・・・図書館には目当ての本が並んでいなくて、ずっと読まずにいました。

図書館で借りた本を読んでしまい、次に読む本が手許にないと落ち着かない私は妻がたまたま借りていた本作(「9作目」だということで読むのを躊躇ったのですが)を読むことにした次第・・・。

読んでビックリ。「さんだらぼっち」では主人公の伊三次が元芸者の文吉(通称お文)を妻に迎え、新しい命が宿るまでを描いていたのですが・・・10歳となったお吉の話から始まっていたのです。このお吉は「さんだらぼっち」でお文のお腹に宿った「新しい命」=15歳となった伊与太の妹。

つまり、15年もの年月が経ってからの物語でした。

もちろん登場人物たちも年齢を重ね、主人公の伊三次は42歳になっています。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
大火で住み慣れた家を失った伊三次とお文。あれから十年、二人は新たに女の子を授かっていた。そんな二人の目下の悩みは、独身を続ける不破龍之進と絵師になる修業をしている一人息子、伊与太の身の上…。

読み終えて・・・このシリーズはやはり第1作から順に読んでいくべきだと思いました。連作短編集ですので途中から読んでもそれなりに面白いのですが、主人公たちの「過去」を知らないために人情の機微に触れる体験を共有できない読み方となってしまいます。

例えば・・・4作目では不破龍之介という幼名で登場していた龍之進に本作では焦点が当てられているのですが、元服以降の出来事を知らない私には、なぜ龍之進に焦点が当てられているのか???状態で読み進めざるを得ませんでした。

父の不破友之進と伊三次との関係についても同じこと。前作では定廻り同心だったのが、今は息子がその役目に就き、友之進は臨時廻り同心として働き、前作同様、毎朝伊三次に髪結いをさせています。その伊三次は前作では廻り髪結いを生業にしていましたが、飛びでた「梅床」という見世で髪結いの仕事をするようになっています。その経過について簡単に触れられてはいますが、やはり???。

まだこのシリーズをお読みでない方は、ぜひ第1作から順にお読みになることをオススメします。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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