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「寂しい丘で狩りをする」

辻原登の「寂しい丘で狩りをする」(講談社)を読みました。
寂しい丘で狩りをする
2年ほど前に「夢からの手紙」(新潮社)という江戸から明治末期(~大正)の主に関西を舞台とした時代小説を読んだことがある作家が書いた現代小説です。

主な舞台となるのは1997年。まだ「ストーカー規制法」ができる前の時代。同時並行する2つのストーカー事件の顛末を描いた作品です。出版されたのは2014年なので、作者はまだ「規制法」がない時代をあえて舞台に選んだのだと思います(モデルとした事件がその当時のものだったのかも?)。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
映画のフィルム・エディター、野添敦子は、かつて自分をレイプして逮捕された凶悪犯、押本史夫の復讐に脅える。敦子に依頼され押本を尾行する女性探偵、桑村みどりもまた、交際相手の久我の暴力に苦しんでいた。刑期を終えて出所した押本は敦子の行方を探し回り、久我はみどりを執拗に追う。追い詰められた女たちが最後に選んだ道は―?

7年前(1997年から)、野添敦子を強姦した押本に懲役7年という判決が下されるところから物語が始まります。

押本は過去に殺人罪によって懲役十年に処せられ、服役後に同居女性との間に二女を儲けるも同居女性への暴力が続き、女性は二子を連れて出ていき、その後、自動車を盗んで無免許運転をして懲役一年二ヶ月。仮出獄の後、敦子を強姦。

物語は、この押本が7年後に出所してから復讐しようとしていることに脅える敦子が女性探偵の桑村みどりに依頼してからの(殺人目的の)ストーカーとしての押本との「対決」が一つの柱になっています。

もう一つの柱は、探偵・みどり自身が被っていたDVとストーカー被害。

この二本柱で物語が展開していくのですが・・・読者としては余計なもの、本筋とは関係ないとしか思えない映画フィルムの話が挟み込まれているので混乱させられてしまいます。

敦子がフィルム・エディターであり、また押本が映写技師だったこともあっての挿話なのですが、「磯の源太・抱寝の長脇差」(いそのげんた・だきねのながどす)というサイレント映画や傷んだフィルムの復元のことなどがかなりのページを割いて描かれているのです。本筋と無関係とは思いませんが、こうした挿話がなくても十分成り立つ物語なので・・・私にはジャマな存在でしかありませんでした・・・。

本筋に戻ります。探偵のみどりは自身の問題と敦子の問題を自分の力で解決しようとします。詳しくは書きませんが、起こした行動は犯罪そのもの。つまり、暴力に対抗するために暴力で・・・最後はサスペンスタッチ。

余計な挿話がなければオススメの作品ですが・・・。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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