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「稽古長屋 音わざ吹き寄せ」

奥山景布子の「稽古長屋 音わざ吹き寄せ」(文藝春秋)を読みました。
音わざ吹き寄せ
この作家の小説はたった一冊しか読んだことがありません。「江戸落語の始祖」といわれた鹿野武左衛門の謎と波瀾に満ちた半生を描いた「たらふくつるてん」を読んで以降、ずっと縁がありませんでした。「たらふくつるてん」を読んで「めっけもん」だと思ったにもかかわらず、です。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
元吉原の北、長谷川町三光新道に稽古屋の看板を掲げた音四郎と妹お久。眉目秀麗な兄は四年前まで期待の女形だった。舞台を去る原因となった脚の怪我をめぐる醜聞の真相とは―絃音ひびく江戸情緒あふれる九編を収録。

舞台となるのは、元役者の兄と異母妹ふたり住まいの稽古屋。たいていの男よりも上背も幅もある大女で住み込み女中のお光を加えた三人が主人公となる時代小説です。

「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうさき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」という九編からなる連作短編集です。

萩野鶴之助の名で役者として活躍していたときに大けがで脚を悪くし、今は長唄の師匠として長屋に暮らす音四郎。父親違いの妹で三味線弾きのお久と暮らしています。

脚の悪い音四郎を軽々と介助できる料理上手で心優しい「大女」のお光が女中として住み込みで働いています。

物語は音四郎の脚が悪くなった原因・出来事と関係する人物とのその後の関わりを軸にしていますが、妹のお久の悩み事や女中のお光の縁談話、長屋の隣に住む浪人の妻敵討ちのことなど様々な人物の苦難と再生の過程も描いた少し欲張り?な物語となっていて、読み応えある展開が・・・。

主人公を一人だけ挙げよ、といわれれば音四郎・・・なのですが、読み進めているうちに女中のお光のことを「応援」しながら読んでしまっているワタクシ。このお光の存在が深刻な物語の緩衝材的な役割を果たしています。

音四郎とお久の兄妹には数々の試練が襲いますが、詳しいことはあえて書かないことにします。ぜひご自身の目でお確かめ下さい。オススメの一作です。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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