スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Tag:スポンサー広告 

「樹海」

鈴木光司の「樹海」(文藝春秋)を読みました。
樹海
この作家の作品は、アンソロジー「午前零時」に収められた「ハンター」という短編を読んだことがあるだけ。初めて読んだ作家だと言う方が相応しいかも。

「樹海」というのは富士の樹海のことです。

今年になってあるニュースが報じられました。「ユーチューバー」として人気があるアメリカのローガン・ポールという人物が、青木ケ原樹海で自殺したとみられる遺体の動画を投稿して批判が殺到。謝罪に追い込まれ、動画を削除した、というニュースです。

海外でも「自殺者が多い場所」として有名な「樹海」で自殺を図ろうとする人物たちの過去や人間関係、自殺の動機などが描かれた作品です。

「BOOK」データベースには、次のように紹介されています。
終末だけでも、自分で選びたい。樹海の魔力に吸い寄せられるものたち。人生の重みがみっちりと詰まった六編。

「遍在」「娑婆」「報酬」「使者」「奇跡」「禁断」という6編からなる短編集(連作短編と言っても許される?人物の繫がりがあります)です。自殺もあれば他殺もあったり、死を選ばずに前向きに生きていく道を選んだ人物が登場したり、ファンタジーに分類される短編があったり・・・表現手法は様々です。

最も奇抜で恐ろしい短編は、「遍在」。自殺研究本を読みあさり、最も確実で苦痛のない首つり自殺を富士の樹海で決行した原田という男が主人公。

決行後、一旦途切れた意識が戻り、自分の死体の変化を目撃するのです。思考する自分は左耳のすぐ後方に漂って自分の姿を眺めているのです。無数のハエがたかり、卵からウジとなって成虫へ。骨と皮ばかりだった腹が風船のように膨らみ、身体の各部位が醜く変形を遂げ、破裂した皮膚の穴からは腐った体液が漏れて地面に滴り落ち・・・胴体が上下に長く伸び、ついには下半身が落下。そして、ロープに残った上半身も頭部がとれて・・・三つに分断されて落下した身体は蟻にしゃぶりつくされ・・・(省略)。

かつて自分であったものがほぼ完璧に消滅してしまう過程を目撃してからのこと。ある女性が目の前に現れ、農薬で自殺しようとする姿を見て「小瓶を捨て、この場から立ち去れ。」と思考する魂。女性は残っていたロープと白骨を見て自殺を思いとどまり、喜びに溢れる魂。

魂は女性の耳付近にあるホクロに移動・・・その女性に「寄り添」って、大きな幸せをもたらすために。

ざっと、こういう内容。「娑婆」では、この女性が主人公となります。

その他の話は省略します。シャブ中毒に陥った男の物語では薬物トリップのことが詳しく描かれていたり、ヤクザに殺されるまでの恐怖を描いた物語あり・・・

重っ苦しい話の連続。オススメできるような小説ではありません。
スポンサーサイト
テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

Tag:読書  Trackback:0 comment:0 

Comment

comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

キク

Author:キク
FC2ブログへようこそ!
旧「アコーディオン好きの徒然日記」ともどもよろしくお願いします。

◆松原アコーディオンクラブ・奈良アコーディオン愛好会・ぱすとらあるアコ所属。
◆日本アコーディオン協会評議員

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。