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「物件探偵」

乾くるみの「物件探偵」(新潮社)を読みました。
物件探偵
おそらくこの作家の小説を読んだのは、初めて。

名前から女性作家だと思い込んでいましたが・・・ネット上の顔写真を見ると・・・髭面のオジサンでありました。「市川尚吾」名義でミステリ評論家としても活動しているそうです。

「田町9分1DKの謎」「小岩20分一棟売りアパートの謎」「浅草橋5分ワンルームの謎」「北千住3分1Kアパートの謎」「表参道5分1Kの謎」「池袋5分1DKの謎」という6編が収められています。

各編の冒頭には間取り図付きの物件情報が載せられていて、この点だけは斬新な趣向だと感じたのですが・・・探偵役として登場する人物の不自然さがこの推理小説の最大の欠点。読んだこと自体を後悔させられ・・・このブログで紹介することを止めようと思ったほど・・・。

新潮社のHPには、次のように紹介されています。
利回り12%の老朽マンション!? ひとりでに録画がスタートする怪現象アパート? 新幹線の座席が残置された部屋?? ――そんなアヤシイ物件の謎、解けますか? 『イニシエーション・ラブ』で日本中をまんまと騙した作家が、不動産に絶対欺されないコツを教えます。大家さんも間取りウォッチャーも興奮の超実用的ミステリ!

探偵役は不動尊子(ふどうたかこ)。各編の途中から突然、何の関係もないにも関わらず、怪しい物件に悩む人物の前に登場。「・・・決して怪しい者ではございません。・・・」と言って宅建の認定証を胸ポケットから取りだし、「・・・幼い頃から《不動さん》と呼ばれて育ったのも何かの縁と・・・宅建の資格を取ったのが15歳、中学3年のときでした。・・・大学では法律を学び、卒業後は希望通りに不動産屋に就職しました。しかし多くの物件を扱っていく中で、だんだんと、物件の声が聞こえるようになってきたのです・・・」とお決まりの台詞。

==ホーッホッホッ、わたしは喪黒福造、人呼んで"笑ゥせぇるすまん"==お金は一銭もいただきません。 私のお手伝いで、お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。==

昔流行った「笑ゥせぇるすまん」 のことを思い出してしまいました。この不動尊子は謎解きをするのですが、無報酬。突然現れて・・・去っていく。この不自然な「物件探偵」の正体が読み進めるうちに明らかにされるのだろうと思っていたのですが・・・最後の「池袋5分1DKの謎」で不動尊子の「師匠」が登場し、少し来歴が明かされるだけ。

昨年(2017年)発行された本ですので、もしかするとシリーズ化されて少しずつ不動尊子という人物の全体像が明らかになっていくのかも?

評価できることは・・・不動産の借り手、持ち主が抱える何らかのトラブルを解決するのに必要な不動産についての基礎知識や不動産業界の裏話が簡潔に説明されていること。

ミステリとしては・・・読むに値しません。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

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